SNSで出会えた高校生のこと。

去年(2016)の末、
フェイスブックで知り合った
男子高校生がいます。

何気なく友達申請したその子は
関西の病院で
入院生活を送っていたんです。

彼が病室の窓から写した
吹雪の写真を
今でも覚えています。

まるで、彼の心情を表しているようでした。

あと、車イスに乗せた
ウンチのぬいぐるみの写真も。

あ。そのウンチの写真は
彼の心情を表してませんよ。


それから毎日、
彼がどんなことを話すのか
気になるようになったんです。

原因のよくわからない病気みたいで
その子自身も
とまどっていたり、

なかなかよくならない現状や
未来が開いて行かない不安などが
切々と書かれていました。


本来なら十代なんて
若さを無駄づかいする時期でしょ。

バカ騒ぎして、
ハメはずしてさ。


そんな一番楽しい時期に
入院して

自分の気持ちをおさえて
ガマンして。

きっと心細くて
たくさん泣いたと思うんだよね。

悩んで、考え事して
どれだけ孤独だったか。

運命を怨んで、
怖くて。

根拠のよくわからない
後悔をしたりして。

そういうことを
容易に想像できるんです。

彼の文章を読むたび
毎日せつなくなるんです。

でもね、

「今日はすこし 体調がいい」
とか

「こんな うれしいことがあった」
なんて
書いてあると
ボクもうれしくなって。

同時にね、
彼はものすごく

次元の高い人生を
生きているんだなー

という
尊敬の念も持ち始めました。

苦悩しても、
かならず最後には

前向きな答えにたどりつくのも
すごいなーと感心したり。

ボクが彼と同じ年代のころは

ヘソがねじ曲がったうえに
後ろ向きでしたから、

もしそのころに
彼と出会えていたら

もっと明るい人生を
送っていたかもなー。
って本気で思ってます。


そういう意味では、
今現在、

彼と友人関係でいられる人たちは
幸せだなーと思いますよ。

本来は漠然とした
「人生」
というものと戦ってる
彼を
そばで見ているんですから。

迷っても、悩んでも、
彼を思えば、
くじけずに生きていけるでしょう。

彼という人生の指針があれば
強く生きていけるでしょう。

だから、

『彼の人生は
 次元の高い人生だ』


と思うんですよ。

本人も知らず知らずのうちに
周囲の人間を導いているんですから。


医者でも、超能力者でもない
ボクにできることは

近所の「洗い観音」で
彼の病気が治るように
お願いすることぐらいでした。

あ。「洗い観音」って
体の悪い所と同じ場所を洗うと
病気が治るっていう観音様なんです。

巣鴨とか
新井薬師とかが有名ですよね。


で、
それから数か月して

努力し続けた彼が
退院できると知ったとき

「すごいなー」
「よかったねー」

何度もひとりごとを言ってましたよ。


映画ならそこでハッピーエンドでしょうけど、
今度は

日常生活にもどる、
学校生活にもどる、
って大事なことがあるんですよね。

なにしろ高校は
出席日数が大事でしょ。

しかも校長が融通のきかない
無理解な人みたいで。

入院中に体力もなくなってるし、
勉強だって遅れているし、

それ以外にも
いろいろ思い通りにいかないみたいで。

なんだか
「もっと多めにみてやれよ、校長!」
って思いますよね。

「運命相手にがんばってんだぞ!」
って。

校長になるまで
いろんな生徒に出会ってきてるはずでしょ。

それでもそんな無慈悲なら、
人としてどんな経験してきたんだろーって
なんだか頭にきますよ。

ただね、それでテンパっても、
その状況をなんとかしようと

彼の中の前向きさが
ガッツリ
発動するんですよ。

がんばり始めるんですよね。
彼。

ボクなら
「ふざけんな、バーカ!」
って言い捨てて

校長の机に
犬のウンコなすりつけて
学校やめちゃうもん。

あ。うそうそ。
そんなことしません。
たぶん。。。


それからも
少しずつ少しずつ
快復していってね、

できることが
ひとつずつ増えていって。

このあいだは
ボクの地元にある
遊園地に行ったみたいなんです。

そのようすがとても楽しそうで、
こっちまでうれしくなりました。

彼ががんばってるとね、

「じゃあ、
 自分はどうなんだろう」
って思うんですよね。

スポーツ選手や有名人の
下手な格言なんかより、

彼の日常のほうが
どれだけ感銘を受けるか。
たしなめられるか。

ずっと年下なのに
こんなにも尊敬できる人って
なかなか出会えないと思うんですよね。

いい大人が
高校生の子に

あらためて生き方を
教わっているんですもん(笑)

ほんと、
彼を知ってよかった。


これから
彼がどんな人生を送るのか
すごく楽しみなんです。

高校を卒業して。
成人して。
どんな素敵な大人になるのかなって。

ただちょっと
まっすぐすぎるところが心配です。
がんばりすぎてしまうところが心配です。

もうすこし
力を抜いてほしいな。


だいじょうぶだから。

ぜったい

しあわせになれるから。


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※個人を特定できないように
 アレンジを加えてあります。

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