天獄ランデヴー 第2話 『両断』
殺人事件の現場である、勝山なかよし公園。
そこは、農業高校から二キロほどはなれている大きな公園だった。
東京のベッドタウンにあるこの場所は、あらたに整備されたばかりで、犬の散歩やウォーキングなどで毎日たくさんの人たちがおとずれている。
いわば地域住民のいこいの場であった。
そんな平和を具現化したような公園内に、立ち入り禁止の黄色いテープがはりめぐらされ、不穏な雰囲気が満ちている。
警察関係者がバタバタといそがしそうに走りまわっていることが、さらにイヤな予感を増大させる。
ヤジウマをかきわけ、ビニールシートで囲われた目かくしの中に入っていく山端。
それに国分と凌羽がつづく。
「あ、凌羽くん、あれだよ」
国分が指さす。
クリーム色の公衆トイレ。
その壁に、ふたりの男がはりつけになっている。
ひとりは前面をむき、目玉の落ちた顔面をさらしている。
ふたりめはこちらに背中を向けていた。
大の字にひろげた両腕と両足。
頭部、胸と腰。
その五ヶ所に金属の杭が突きたてられている。
ふたりのようすは、まち針に刺された昆虫の標本を連想させた。
しかし、なにか違和感がある。
じっとよく見る。
そして、その謎が解けた。
薄い。
あきらかに体が薄い。
ひとりなのだ。
ふたりではなく、ひとりの人間なのだ。
魚をおろすかのように、体の側面で両断された、…
