2017年09月18日

すきま怪談番外編・29『うしろの正面』

Y子さんは 
その日、

家に帰るのが
深夜になってしまった。


人通りのなくなった道は

シーンとしていて
心細くなる。


すると背後から

コツン コツン

と革グツの足音が
聞こえてきた。

しかも
ふたり分。

ふたり分の足音が

Y子さんのあとを
ついてくるのだ。

おどろいて
とっさに
ふり向いたが

そこには
だれもいない。

だがふたたび
Y子さんが歩き出すと

また ふたり分の
足音が

コツン コツン
とついてくる。

背筋が寒くなり
もう振り返ることが
できなくなった。

そのときY子さんに
いいアイディアが
浮かぶ。

自撮りをするふりで
自分の肩ごしに

背後のだれかを
撮影しようというのだ。

さっそくY子さんは
スマホを取り出し
写真を撮ると

歩きながら
画面を確かめる。

すると
そこには

両手両足に
革グツをはめ

四つんばいで
追ってくる

男が
写っていた。




すきま怪談4~死カメッツラ (桜洋出版)


posted by かさぎ たすく at 14:48| Comment(0) | すきま怪談・番外編。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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