2017年09月17日

すきま怪談番外編・27『おとなりさん』

夜遅く、
となりの部屋から
ボソボソと

話し声が聞こえてきた。

うるさいな、
と思いつつも
聞き耳をたてると

数人の男たちが
いるようだった。

その中には
聞きおぼえのある声が
まじっている。

「だれだったかな?」

思い出そうとしているうちに
いつのまにか
眠ってしまった。


安いアパートで
壁が薄いせいか

それから
毎晩のように

となりの部屋から
話し声が聞こえる。


やがて
年末を迎えて帰省し

正月明けに
アパートに戻ると

警察官が
出入りしている。

聞けば
事件があったのは
となりの部屋で

住人の男が
死んでいたらしい。

死後1か月ほどで
あるという。


「…でも
 年末くらいまでは
 
 毎日
 話し声が
 聞こえてましたよ。

 その中に
 どこかで聞いたことのある
 声もまじっていたので

 ハッキリおぼえてます」


そう説明するが
警官は首をかしげて
こう言った。


「死んだのは
 
 売れていない
 
 ものまね芸人
 だったんですよ」






すきま怪談➁~死シャゴニュウ (桜洋出版)

posted by かさぎ たすく at 14:31| Comment(0) | すきま怪談・番外編。 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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